ビカクシダの着生材、或いは養生のための素材

皆様お久しぶりです。
なにげに前回の更新から10日、まぁ定期更新を目指してるけど
そうはネタとやる気が持続しないので、適度に更新していきます。

本日はちょっと栽培育成関係のお話

私が愛してやまないビカクシダの着生材、或いはその代わりとなるものの紹介と解説です。

※ただし、この記事の内容はあくまで私の環境での話しであることを念頭に置いてください

まずとてもベターでかつ、ビカクシダが着生しやすい素材の代表からご紹介

ヘゴ板

★詳細
ヘゴ(木性シダ)の不定根がからみ合って密になったものを板状に加工した物
近年はヘゴ板や棒の需要過多により海外での乱獲があり、保護されており数が少ない。
日本では沖縄産のものが市場に出回っている。

★値段とサイズ
うちの近くでは2000円でA4サイズ、厚さ5~6センチのヘゴ板(B級ぐらい)
が園芸資材店で売っている。
大きくなるほど、また密度が高い良品ほど高くなる。サイズには限界がある。
おそらくどう頑張っても横幅は20~30cmで縦はかなりの許容範囲がある。
価格は私の近くの園芸資材屋では1880円ぐらいでA4版ぐらいのサイズです。

★種類
ヘゴ板の他に、
ヘゴ棒(幅、奥行き5~6cm縦30cmぐらい)
ヘゴの輪切り(真ん中が空洞になっているドーナッツ状)
ヘゴの原木(無加工のでかいやつ)

★使い勝手

利点:
・抜群の根張り
・通気性と吸水性がとても良い
・水に沈められる

欠点:
・根が深くまで入ると、裏側から発芽する。取れなくなって張替え時にダメージがでる。
・ボロボロと破片がおちる。
・売っている所を探すのが面倒。
・凸凹しているために貯水葉が引っかかって変な形になることが稀にある

★総評

とても良い着生材なのは間違いないのだが、小さい苗やこれから巨大化することがわかっているような個体への使用は避けたほうが良いかもしれない。

また、穴を開けて吊るす際、穴を開けた部分が徐々に劣化していくことがあり、定期的な確認が必要。(過去に穴が広がって落下したことがある。高品質品ではならない)


焼き杉板

★詳細
主な用途は外装用の建築資材だが、着生材としてもよく使われる。
杉板をバーナーで焼き、炭化した部分を削り取るとこういった色合いになるらしい。
焼くことによって通常の杉板よりも耐久性が増す。

★値段とサイズ
画像のものがヤフオクで250~500円+送料で定期的に販売されてる。
フック付きだしとても良心的。実際に焼き杉板を市販で買うとなると建材のため
高さが2m近い物が多いので分断して使う必要がある。5~6千円で2m程度

★種類
生杉板でも着生は可能だが・・・。薄いと水を吸って乾燥すると恐ろしく曲がる。
その他の木材でも表面がツルツルになるような加工がされてなければ可能。
ただし杉より安くて加工しやすくて手に入りやすい素材は後述の物ぐらい。

★使い勝手
利点:
・ヘゴよりも更に加工しやすい
・耐久性が高い
・建材の為、その気になれば一杯手に入る。
・平らな為、貯水葉が着生材に引っかからない
・根っこが文字通り張り付くだけなので張替えが容易

欠点:
・通気性、吸水性、根張りがヘゴよりも少し劣る。
・根っこが着生しているのかどうかを判断しづらい。(慣れればすぐわかる)
・多少湾曲する。

★総評

めっちゃベターな選択肢、欠点は最初から杉板なら慣れるので欠点にもならない。
また見た目がとても良く、貯水葉が着生材のせいで成長阻害されたりしないので
綺麗に仕立てたいときやヘゴの破片が気になる方はこっちでも良いかも。


バスケット

★詳細
木の棒を格子状に組んで箱型にしているバスケット。蘭などで使われることがある。
最近ではフペルジアやリコポディウムなどにもよく使われている。

★値段とサイズ
画像の物で25~30cm、縦が10~15cm程度だろうか?内寸はもう少し小さい
大(画像の物)中・小の3つセットで1700円で購入。

★種類
四角と六角がある。また私は平置きで使ってるが
吊るすことのできるフックがついてるので吊るすことも可能。
板のように壁にもたれかけさせて使うことも可能だが、屋内だと壁が汚れそう

★使い勝手
利点:
・根域がとても広がるので子株が発生しやすい
・乾いているのか湿っているのかはっきりと確認できる。
・板とは空間を占有する面積が違う。(利点でも欠点でもあるが)

欠点:
・通気性は水苔に左右される。表面は乾きやすいが内側は乾かない
・子株が発生しやすいので処理が必要
・微妙に手に入りにくい、あるところにはある

★総評

画像はマダガスカリエンセが植わっているが、マダガスカリエンセは無類の水好きなので
水が枯れるとあっさり死んだりする。そういった水分が好きなビカクにはもってこい。
子株が発生し易いのは利点にも欠点にもなるので使い分ける必要がある・・・。とはいえ
他の着生材でも子株は発生するので制御できるものではない。


鉢植え

★詳細
言わずもがな、普通にプラ鉢等に水苔で植え付けます。
着生とは違う感じがしますが育ちます。また園芸店で販売されてるビカクは
土に植わっていることが多いです。

★値段とサイズと種類
もはや言うことはないですが、様々なサイズと素材があるので
スペースと自分がどうしたいかの判断で色々変更可能

★使い勝手
利点:
・とても良心的でかつ、管理しやすい
・縛り付けるようなサイズではない場合に使いやすい
・弱ってしまった時の養生としても使える
欠点:
・貯水葉が展開して表面が覆われると水が入りにくくなる。
・成長点が平面になる為、今後板付するのならば成長点位置の調整が必要※
・バランスが取りにくい

★総評
我が家では主に養生のために使っている。画像のBuriromは子株が生えているので子株がある程度育つまでこのまま管理する予定。ビカクは基本的に木々に着生しているので垂直(板につけて吊るしたり)に管理することが多いが、水平に管理してもしっかりと育つ。ただ、バランスがとても取りにくいし、大きくなった時管理が大変なのであくまで一時的なものにしたほうが良いと思う。


ロックウール

★詳細
バリバリ側面に「日本ロックウール」と書かれてますが、文字通り「石綿」となります。
石綿ときくとアスベストを思い浮かべますが全く別物なので、人体には無害です。一般的な使い方は挿し木や養生に使われます。保水性がすごいです。

★サイズと値段と種類
10cm四方サイズが3つはいって500~700円ぐらいで販売されてます。
シート状になっているものや、もう少し小さいサイズもあるようです

★使い勝手
利点:
保水性、吸水性、水の拡散性が抜群によい
・子株の養生などには最適だと思われる。
・繊維が縦なので根張りも良いし通気性もある。
・良いサイズになったら、素材の高さを半分ぐらいで切断して板付にできる。

欠点:
・乾く=水が0なのでダメージが大きい
・加工する際に乾いていると手に細かい繊維が刺さる。
・あくまで養生用なので大きいサイズがない。

★総評

子株養生の最終兵器だと私は思っている。正立方体なので安定感があるため養生し易い。
また、水分がある時と無い時では色が違う為わかりやすい。根が底部まで貫通したら板付の目安かな?

底部の写真、茶色の部分が根っこです。繊維の隙間からでてるのがよく分かる。
また側面にある黒いシートの内側にも根っこがよく張る。
子株養生悩んでる方は一度つかってみては?


実は私は使っていないけれども、大きくなったビカクシダの着生材として最終兵器があります。

スノコ

です。

★詳細
言わずもがな、すのこ、風呂場にあったり、ベランダにあったり用途は様々ですが
こいつとても着生材として使いやすいです、なにより手に入りやすい、吊るしやすい
ほどよい通気性(隙間がある)

★値段とサイズと種類
100均で売ってるし、もう少し頑丈なのだとホームセンター等でもてにはいります。
また、様々な隙間の間隔とサイズがあるのでお好みで選ぶことができます。

★使い勝手(使ってないけど)

利点:
・手に入りやすい
・ほぼ加工しなくてよい
・程よい耐久性がある。
・隙間があるので通気性もある
・子株もでやすい

欠点:
・子株が裏面に出やすい
・隙間が多いので乾きやすい(利点でもある)
・見た目が完全に<<スノコ>>

★総評

手近に着生材がないし壁掛けにできない!なんてあなたに最適なのがこれ
たいていのスノコには裏にも板が通ってるので、壁掛けや吊るすさいには安定感もあります。元々が平置きするものなので平置きでも大丈夫のはず。
なによりサイズが大きくなっても手に入りやすいものはこれぐらい。なんといっても手に入りやすい。


以上、様々な着生材或いは養生のための素材を紹介いたしました。

ぶっちゃけると上記以外でも様々な物があります。たとえば聞いたり見た限りでは

・素焼きの鉢
・コルク
・ヘチマ
・竹
・穴あきステンレス
・お盆

要は、「水苔がまとめられる素材」なら理論上なんでも大丈夫なはずです
家の外壁でも大丈夫ですが日本ではまずやめたほうがいいでしょう・・・。
あなたも困ったら身の回りにあるものを一度着生材としてみてみてはいかが?
割と楽しくなってきてIK○Aとかにいっても全部着生材に見えてくる病気になりますゾイ!

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